今年の1月から新富町に設置している、農業と太陽光発電のシェアリングが可能であることを証明するための施設=「テストサイト」。土地探しを行ったのは、不動産のプロフェッショナルの宮下真嗣さんです。今回はテストサイトの土地探しの経緯について、お話ししていきます。
土地探し成功の大きな要因は、宮下さんの強い探究心と行動力
「テストサイトを創ろう!」となったきっかけは、農業のスマート化の推進を行う、新富町の地域商社「こゆ財団」の事務局である高橋さんと会ったことだと話す宮下さん。
「本プロジェクトとこゆ財団の取り組みには、”農業の未来の形を考える”という共通点があることから、高橋さんが興味を持ってくれたんです。構想だけではなく実物を見てみたいと言われたことで、テストサイトの設置を決意しました」(宮下さん)
土地探しをする上で、宮下さんが挙げていた条件は大きく2つ。1つ目が「人の目に触れやすい場所であること」、2つ目が「営農担当の石川さんが運営する『みらい畑』に近いこと」でした。当初宮下さんは条件を満たす候補地を30箇所見つけましたが、その後テストサイトへ転用できる土地はたったの3つしかないことが分かりました。というのも、多くの土地の利用目的が農業や宅地だったからです。
その中でも1つ、気に入る土地を見つけた宮下さん。登記簿謄本(土地の所有者が明記されているもの)の情報を基に土地の所有者を探すと、鹿児島県に住む方だと分かりました。本プロジェクトへの想いを込め土地の売却を依頼した手紙を送りましたが、宛先不明で返ってくる結果に。
しかし諦めることなく、「絶対に所有者を見つける!」という強い思いから、充てもないまま1人で鹿児島まで飛び立ちました。一見無謀に思える行動でしたが、所有者の元近隣住民から「現在は宮崎に住んでいる」という大きな情報を得ることに成功。
「情報を掴んだ時は、交渉まであと一歩の所に来ているとワクワクしました。鹿児島から帰る途中、高揚感に浸りながら濱とやり取りしたメッセージは今でも鮮明に覚えています(笑)」(宮下)
こうして帰宮後、所有者と対面し無事土地の借りることが出来ました。が、、、実は所有者本人も認知していない放棄地であったことが発覚します。こうした意味でこのテストサイトは、放棄地を再生してモデリングした一例でもあるのです。
現在、太陽光パネルの設置と野菜の栽培を行っているテストサイト。今後も新たな農業システムの実装に向け実験していく予定です。また本プロジェクトではテストサイトを設置したい企業様、地主様も募集しています。