「みらいのはたけ」プロジェクトでは2021年5月、木製架台の太陽光発電システムを宮崎のテストサイトに設置しました。設計を手がけたのは佐藤寛之さんです。
今回は、私たちの思いを実際にカタチにする設計担当の佐藤さんをご紹介します。
一級建築士の佐藤さんは、福岡生まれの32歳。九州大学大学院を修了し、福岡の設計事務所「NKS2アーキテクツ」に勤務して2020年取締役となり、同時に「佐藤寛之企画設計」を設立。建築家や不動産の専門家が集まるシェアオフィスの運営もしています。
これまで数々の住宅やオフィスなどの設計に関わり、受賞歴もある佐藤さん。
2020年の夏、濱さんと宮下さんから、みらいのはたけプロジェクトについて話を聞いて、太陽光発電について思いをめぐらせたといいます。
「話を聞いて改めて考えてみると、太陽光発電のイメージってすごく微妙なんですよね。エネルギーとしては確実に環境に良くて合理性もあるのに、土砂崩れが起こったり風景を損ねてしまったり、投資して儲けるための手段というイメージも社会的には強くて…。長年、太陽光事業に関わってきた濱さんはそんなジレンマを抱えていて、木製の架台を作りたいと夢を語ってくれました」(佐藤さん)
そうして、このプロジェクトは佐藤さん自身の思いと重なるところがあると感じて、参画を決めました。
「僕はもともと設計を通して、まちの風景に寄与したいという思いがありました。ただ、一つひとつの設計に向き合っていると、自分一人でできることは限られていると実感し、自分に何ができるか常々考えていました。
そんな中、みらいのはたけプロジェクトに声をかけてもらい、単に一つのものを作るだけでなく、開発した木製架台の価値が認められれば、日本中に広がって田園や山なみに溶け込み、日本の風景を変えられるかもしれないという大きな可能性を感じたんです。すごくいいなと思い、関わらせてもらうことにしました」(佐藤さん)
建築のプロフェッョナルである佐藤さんが仲間に加わり、木製架台を作るという濱さんの夢は実現に向けて大きく動き出しました。