現在、建設中のテストサイトの前で(左から、一級建築士の佐藤さん、みらい畑代表の石川さん、みらいのはたけプロジェクト座長の濱さん)
宮崎市の市街地から車で北へ30分ほど移動した先に位置するのが、児湯郡新富町。今年、J3に参入する「テゲバジャーロ宮崎」のホームスタジアムが建設中のこの町で、畑で作物を作りながら同時に太陽光で発電するソーラーシェアリングの実証実験が開始されました。
耕作放棄地を畑として耕しなおし、その上に太陽光発電用のソーラーパネルを設置、畑の管理などで使う電力を自然エネルギーで賄う新しい形の農業システムを構築していこうという「みらいのはたけ」プロジェクト。きっかけは、釣り友達であったボーダーレスジャパン代表の田口一成さんとの何気ない会話だったと、本プロジェクト発起人の濱忠弘さんは言います。
「ハチドリ電力を立ち上げた田口さんが自然エネルギーの普及に興味があって、太陽光の話を聞かせてよという軽いノリのスタートでした。ボーダーレスジャパンのグループには『みらい畑』という農業の課題に取り組む会社があり、ここが持っている畑の上にソーラーパネルを取り付けたらどうだろうという話が昨年の5月くらいに。そこからどんどん話が進んでいきました」(濱さん)
みらい畑は、耕作放棄地を利用することで農業就業人口の減少に歯止めをかけようというソーシャルビジネスを行う新富町の企業。濱さんはさっそく代表の石川美里さんに話を持っていったところ、本人も元々ソーラーシェアリングにチャレンジしたかったと意気投合したと言います。
「畑の現場で発電ができれば、農業のIoTでも利用できます。このシステムがしっかり機能していけば、全国の耕作放棄地を使って新しい農業の形を広げていくことができると思いました」と石川さん。
まずは、みらい畑のある新富町で実証実験を行おうという話になり、テストとして利用する耕作放棄地を探し始めることになりました。