太陽光発電の始まりと変遷について紐解いていった「太陽光発電っていつからあるの? vol.1」。
2回目である今回は、日本が太陽光発電業界を立て直し、普及までの軌跡、そして今後についてお話ししていきたいと思います。
再び日本の太陽光発電事業が夜明けを迎えたのは、2009年11月1日。
そのきっかけは「太陽光発電の新たな買取制度」でした。この制度により、1kW当たり従来の2倍である48円で、10年間電力会社に売電できるようになりました。
加えて、一度廃止されていた補助金制度も復活することに。この頃から、海外メーカーも市場参入してきて価格競争が激しくなり、太陽光の取得コストも下がってくるようになりました。
また、2011年3月に起こった東日本大震災による原発事故で、再生可能エネルギーの重要性が再認識されることになります。
太陽光発電の普及を更に後押ししたのが、2012年7月に定められた「固定価格買取制度(通称FIT)」。
太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーで発電した電気を、一定期間、国が定める価格で電気事業者が買い取ることを義務付ける制度です。
実は、この制度で買い取られる再生可能エネルギーの費用は、「再エネ賦課金」として、各世帯の毎月の電気料金に上乗せされて国民全員が一部負担しているんです。
太陽光発電の歴史を語る上で欠かせない「固定価格買取制度(FIT)」ですが、ここでポイントとなるのは「なぜ、再生可能エネルギーに対して『固定価格買取制度(FIT)』が用意されたのか」ということ。
それは、「設置費用を回収する見通しが立ちやすくすることで、普及が進むようにする」という国の狙いがあるからです。
結果、リスクを抑え皆が投資しやすい環境が整ったことで『太陽光バブル』と言われるほど、爆発的に普及が進むことに。九州電力管内では、太陽光の発電電力が九州全域の需要電力を上回る程にまで普及しました。
2019年度の太陽光の国内市場規模は、約2300億円。
さらに2030年には、現在の約3倍の7000億円規模になると予測されています。
今後は固定価格買取制度の下での普及拡大に留まらず、自家消費モデルや、ソーラーシェアリングなど従来型の太陽光とは違った形で普及拡大されていくでしょう。
「私は再生可能エネルギーの普及拡大が進み、CO2排出の多い火力発電の比率が下がることをかねてから願っており、『みらいのはたけプロジェクト』はその普及拡大の1つの方法として考えています。このプロジェクトに賛同してくださる仲間が増えることで、『みらいのエネルギー』が明るくなることが理想ですね」(濱さん)
2回にわたり、太陽光発電の誕生から現在に至るまでお伝えしてきました。一人でも多くの方の太陽光発電への理解が深まり、参考になっていれば幸いです。
今後の「みらいのはたけプロジェクト」の展開からも目が離せません。